Arduino (2) 3.3V 化2014年03月16日

Arduino でしばらく遊んでいたが、さらにいろいろと試してみたくなった。
グラフィック LCD や GPS である。
これらは、電源や I/F の電圧が 3.3V となっているので、前回のキャラクタ LCD のように単純に組み立てる (そのまま繋ぐ) ことはできない。
すでに、そういったシールド (shield : Arduino の世界では、拡張ボードのこと) が販売されているし、あるいは、Arduino Due (もっと高性能、高機能なマイコンが搭載されている : 3.3V) にすれば、簡単に解決する問題である。
けれども、このブログのテーマは「迷い道」。
寄り道や遠回りが大好きなのだ。
手持ちの Duemilanove (もはや型落ちしてしまったが、純正品) に手を加えることを躊躇していたのでやらないでいたのだが、偶然にも aitendo で「在庫僅か」となっていた Duemilanove 互換ボードを手に入れることができた (今はもう売り切れてしまったようだ)。
このボードを 3.3V で動作させるように改造することにした (やはり、迷い道に踏み込んだ)。

互換ボード

ネットの情報を探ると、いろんな人が 3.3V 改造を行っている。
もっとも簡単な方法は、Arduino UNO (Duemilanove の次のモデルで最も普及している) に施された方法で、

  1. 電圧レギュレータを 5V 用から 3.3V 用に取り替える
  2. ヒューズ (USB パワーの過電流対策のため) を取り外す
  3. USB パワーをダイオードを介して電圧レギュレータの入力に接続する

というものだ。
Duemilanove では、さらに、USB I/F チップ (FT232RL) に 4V 以上の電圧を供給するために、

  4. USB I/F チップ (FT232RL) の電源ピンのパターンをカットし、電圧レギュレータの入力 (VIN) に接続する
  5. 電源切り替え回路は実装しない

パターン・カットする部分は FT232RL チップの下になるので、実装する前に行う必要がある (Duemilanove 純正品を改造するのは、やはり無理ということか)。
これにより、

  1. ヒューズを取り外したので、過電流対策にリスクがある (普通に使うには問題ないだろう)
  2. 外部電源を使うときには 5V の AC アダプタを接続する
  3. +5V のピンアウトは +3.3V になる、VIN は 4.7V 程度になる (5V からダイオードによる電圧降下があるため)
     (追記) のちに +5V と +3.3V のピンアウトに対する改造を行って、それぞれ +5V, +3.3V が得られるようにしている。
            パターンのカットが必要になるので、半田付けの前に行う必要がある。

SMD (Surface Mount Device : 表面実装部品) の半田付けには苦労したが、何とかできあがった。
白いジャンパ線とその周辺が改造した部分だ。

3.3V 版

マイコン・チップ ATmega328P の仕様上 3.3V での動作周波数の上限は 13MHz ほどなので、16MHz での動作は保証されないが、おそらく動くだろう。
ただし、このままでは Arduino にはならない。
ブートローダというプログラムを書き込む必要があるのだ。
(次回につづく))

コメント

_ てる ― 2016年07月18日 13:50

私もArduino Duemilanoveの3.3V改造を考えています。パターンカットの部分は具体的にどの部分ですか?

_ mixen ― 2016年09月11日 13:50

てる さま、
コメントありがとうございます。
しばらくアクセスできない状況が続いていたので、回答が遅くなってしまいました。
ごめんなさい。

お尋ねのパターンカットの件です。
Arduino Duemilanove の回路図 (www.arduino.cc で Duemilanove を検索、Schematic & Reference Design) を参照し、実際のボードと比較しながら、読んでみてください。

ピンアウト (コネクタ、電源出力) 部分については、表面の 3.3V (2 番)、5V (3 番) をパターンをカットすることになりますが、コネクタが実装されているため、作業は非常に困難だと思われます (一旦、コネクタ全体を外してからカットし、再び実装することになります)。
その後、裏面で 3.3V (2 番)、5V (3 番) とその他の配線をします。

2014年03月22日 Arduino (4) 3.3V 対応 LCD シールド

に写真があるので、参考になさってください。

USB I/F チップ (FT232RL) については、20 番ピン (VCC5I)、上側の右から 6 番目のピンのパターンをカットし、VIN (5V) に接続することになります (写真の中央左よりの白いジャンパ線)。
このパターンは、チップの下に隠れてしまっているので、(チップ全体を取り外さない限り) 実際にカットすることは不可能です。
20 番ピンだけハンダ付けを外して浮かせ、ピンに直接ジャンパする方法がありますが、1 ピンだけ外すことは難しいと思われます。
外すことができても、折れ曲がっているピンを伸ばしたりすることは困難ですし (ピンは、簡単に折れてしまいます)、配線できても隣のピンやパターンと接触する可能性が高くなります。
したがって、実際にこのような改造をすることは、(不可能ではないにしても) 非常に困難です。
# 私の場合、部品が実装されていない互換基板 (今はもう手に入りません) が入手できたので、部品の実装前にパターン・カットが可能でした。
# UNO なら USB I/F チップ (FT232RL) は使われていないので、電源レギュレータとピンアウト部分の改造だけで済みます。

なお、本文中にも書いてありますが、3.3V では 16MHz の動作は保障されていません。
ほとんどのチップは大丈夫だと思われますが、動作しなかったり、動作が不安定になることが予想されます。
製造過程の状態に依存すると思われるので、別のチップに交換すれば動作する可能性があります。
ご参考まで。

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。

名前:
メールアドレス:
URL:
コメント:

トラックバック

このエントリのトラックバックURL: http://walkingmix.asablo.jp/blog/2014/03/16/7246198/tb

※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。