感想 (18) 黄金旅風2014年03月30日

これまで読んだ本の感想 (その 18)。
飯嶋和一 の歴史小説だ。
とても長い小説で、実に読み応えがあった (時間がかかった)。

o 黄金旅風 - 飯嶋和一

「出星前夜」すなわち「島原の乱」よりも少し前の時代、「鎖国」になる直前の長崎を舞台にした物語である。
「問題児」だったはずの末次平左衛門 (貿易商、長崎代官) と権力を使って私腹を肥す長崎奉行の竹中重義との闘いが描かれている。
物語では、平左衛門を軸に、もう一人の「問題児」平尾才介 (町火消しの頭領)、さらに少年期に彼らに助けられた鋳物師の平田真三郎のエピソードが展開される。
また背景には、台湾やマニラ、ハノイとの貿易、オランダやポルトガルとの紛争があり、平左衛門と竹中重義の対決という構図だけでなく、外交や江戸幕府までを巻き込んだスケールの大きい小説だった。